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N. G. Place

疳の虫

「ちょっとあの子、おかしいのよ。最近目に余る」と携帯を切って彼女は言った。

彼女の長男は今年小学校に入学したぴかぴかの一年生。
仕事中の母親に電話してきて、昨日禁止された事をまたお願いしてきたらしい。
なだめてすかして電話を切った彼女は少し興奮状態。




「なんだか、自分の欲求を抑えられなくなると手がつけられなくなるのよね」

大きくなるにつれ、どうも彼女の手に負えなくなってきたらしい。
私は子ども好きというわけではないんだろうけど、
赤ちゃんの時からしばしば会って、
向こうもこちらを憶えていてくれる子はやっぱりかわいい。
特にその子はちょっと不器用な所がまたかわいくて、
彼女がぶつぶつ言う度に逆に彼女を諭していたくらいだ(無責任)。

「癇の虫払いって知ってる?」

癇癪持ちの子どもにお払いすると身体の一部から白い糸が出て来て、
その後その子は癇癪を起こす事が少なくなると言う。
「このあいだ義毋の知り合いから、この子は癇が強いから虫払いしてもらえばって言われたの。そういえば、ずっと前にうちの母親も似たようなこと言ってたの思い出して…」
なんだかよく分かんないけどおもしろそうだから行ってみなよ!
私も一緒に連れてって!とけしかける無責任女。

「鰯の頭も信心からって言うしね…」

と、弱々しく言ってその会話は終わった。
かんのむし[癇の虫/疳の虫]
疳の病理と考えられた虫。また、その病気。
『広辞苑第4版』

かん[疳]
漢方で、小児の神経症の一種。夜間、発作的に泣き出したり、恐怖の夢を見たりするもの。疳の虫。
同上

かん[癇]
1)引きつけを起す、小児に多い病気。疳。
2)感情が激しく怒りやすいこと。また、その性質。
同上

その虫払いというのは、拝み屋さんに頼んだり、神社でやってくれたりするそうです。
私は聞いたことないんですけども。



by pea19 | 2006-08-23 22:39 | I♡広辞苑

N. G.なもの・人・場所を記録しておいて、近寄らないようにしたい。
by pea19

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